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プロフィール

■略歴
 1982年 九州大学 理学部 卒業
 1988年 大阪大学 理学研究科 生物化学 博士課程 終了
 1988年 Washington Univ., Howard Hughes Medical Institute, St. Louis MO, USA
 1993年 National Jewish Medical and Research Center, Denver CO, USA
 1996年 東京理科大学・生命科学研究所
■研究分野
 分子免疫学
 生体分子機能論
 生物物理学
■研究課題
 自己免疫疾患の発症の原理の解明とその治療法の開発
 T細胞受容体とそのリガンドの物理化学的研究
 先天的免疫に関わる受容体の構造と機能
 サイトカインの構造と機能

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研究に対して

■生命科学への取り組み
生命現象を物理学あるいは化学の法則だけで説明することは出来ません。生命が如何に生まれどこへ向かおうとしているか解っていないからです。今のところ、生命は非平衡状態で生まれた“ゆらぎ”に満ちた 秩序に過ぎません。故に生物は無限に多様です。しかしながら普遍性も存在します。進化の早い段階に生まれた秩序は 情報としてDNAの中に残っています。それらは地球上の生物に関しては普遍のドグマです。また宇宙誕生と生命誕生は ほぼ同時期に起こっています。宇宙の進化と生命の進化には何らかの共通性或いは必然性があるのかもしれません。はたして進化は“ゆらぎ”と淘汰だけで起こっているのか、ある方向性を持っているのか興味深いところです。
    生命科学は普遍性と多様性を統合して研究していく必要があります。それは免疫系をシステムとしてとらえ研究することで可能になると思われます。また、多様な現象の細部にも生命の本質は残っていると考えます。 我々は、免疫現象をモデルとして、分子間の相互作用を動力学的、熱力学的、及び、構造生物学的解析を行い、分子間に働くどのような因子が現象を引き起こす要因となるのか解析を試みています。さらに組織適合性抗原(MHC)やT細胞受容体(TCR)とその周辺の分子の相互作用が如何にシステムにフィードバックするのか解明したいと考えています。

■多様性と普遍性
生命現象の中の普遍性とはなんだろうか。生命は外部からエネルギーを取り入れることにより熱力学第2法則を凌駕し自己秩序化する。また、遺伝という手法を取り入れたおかげで第2法則にしたがって多様化、複雑化していく。つまり生物は多様であり、種が違えばその構成要素や触媒様式が異なってくる。さらに種内でもその個体差が存在することが生存にとっての有利な条件となる。 人間を理解するという上では人間やそれに近い動物を詳細に研究することが大事になることは言うまでもない。しかしながら、生命を本質的に理解するには多様性の中に普遍性を探すことが不可欠である。

■タンパク質の無限性=生命の無限性
タンパク質は一般的にマルチドメイン構造をしている。それらは活性部位と調節部位に別けるころができる。この活性部位と調節部位は化学的には何の関連もない。つまり、生物学的には有用であるが化学的には恣意的であり、必然性がない。一方、タンパク質は進化の歴史の中で重複を繰り返してきた。様々な組み合わせは可能であり、これを制限するものはない。それゆえ必然的に複雑性は増していく。 では、 進化の歴史としての個々の分子の機能にいかほどの必然性があるのか。 進化の方向性というものがなければこれほど高度のシステムが生まれ得ることがあったのか疑問である。

■ゆらぎ
この世のすべてのものは“ゆらぎ”に由来する。宇宙の存在も、生物の存在もすべてがそうだ。偶然“ゆらぎ”が固定化されると存在となる。かつ、それら既に存在する物質の中にも常に“ゆらぎ”が存在し、偶然か情報により新たな存在が生まれることになる。生物は“ゆらぎ”の方向性を決める情報によって支配されている。 タンパク質及びすべての生体物質は結晶解析図にあるような形を常に取っているわけではない。相互作用においては様々に試行錯誤を繰り返し、結合、触媒を成し遂げているはずである。これは構造に“ゆらぎ”が存在することにより可能になる。“ゆらぎ”の積極的な役割と機能の関係を明らかにしたいと考えている。

■スーパーシステム
免疫系は高次複雑系である。それは多々の相互作用の集まりである。その中で受容体とリガンドの相互作用という事象を通して生命に迫りたいと我々は考えている。免疫系は多細胞系であるが故に細胞間の連絡、通信が不可欠である。それを担うのが無数の受容体であり、そのリガンド達であるからだ。そこにはどのような世界があるのだろうか。

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論文実績

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■Single-Molecule Motions of MHC Class II Rely on Bound Peptides

[ 共同発表者名 ] Haruo Kozono, Yufuku Matsushita, Naoki Ogawa, Yuko Kozono, Toshihiro Miyabe, Hiroshi Sekiguchi,Kouhei Ichiyanagi, Noriaki Okimoto, Makoto Taiji, Osami Kanagawa, Yuji C. Sasaki
[ 雑誌名 ] BIOPHYSICAL JOURNAL
[ 発表日付 ] 2015年2月 v108, p350-359

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学会発表

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■X-Ray Single Molecule Tracking Reveal Motions of Peptides in the Binding Groove of MHC II Regulated by DM

[ 共同発表者名 ] H. Kozono, T. Miyabe, Y. Kozono and Y.C. Sasaki
[ 学会・会議名 ] Annual Meeting of ASBMB2015
[ 発表日付 ] 2015年3月28日 ~ 4月1日

■H2-DM Enhance Motions of Loosely Bound Peptides within MHC Enables Peptide Exchange

[ 共同発表者名 ] Toshihiro Miyabe, Kohsuke Kasadera, Yufuku Matsushita, Yuko Kozono, Hiroshi Sekiguchi, Keigo Ikezaki, Haruo Kozono, Yuji Sasaki
[ 学会・会議名 ] Biophysical Society 59th Annual Meeting
[ 発表日付 ] 2015年  2月  7日 ~  2月  11日 

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