Tamura Laboratory
Tokyo University of Science

研究室紹介

準結晶・近似結晶

準結晶・近似結晶の画像

2011年のノーベル化学賞は準結晶の発見に対して贈られたが、準結晶は5回回転軸などの結晶に禁じられた対称性をもつ第3の固体の存在形態である。正20面体クラスターが周期的に配列した物質群である近似結晶も準結晶の発見後にできた概念である。一般に金属は正の抵抗温度係数を持つ電気の良導体である。しかし、準結晶は金属合金であるにも関わらず異常に高い電気抵抗率、負の抵抗温度係数、準周期性が高い程電気抵抗率が増加するという特異な電子物性を示すことがわかっている。
当研究室では基礎研究室として、新しい準結晶、近似結晶の開発、準結晶や近似結晶の示す新しい現象や物性の開拓を行っている。準結晶にふさわしい応用を見出す研究も端緒についたばかりである。実験は、当研究室の測定装置のみならず東大物性研の共同利用施設群、フランス・グルノーブルやイギリス・オックスフォード、アメリカ・アルゴンヌの放射光施設を使用し、世界で初めて新たな事実を捉える。

磁石

磁石の画像

永久磁石は現代の生活を支える家電や自動車に使用されるモーターに欠かすことの出来ない磁性材料である。しかし、永久磁石は高温では磁化が低下するという欠点があり、モーターを用いる上で大きな問題となっている。その中でSmCo系は優れた熱安定性を有しているが、室温における磁化が低い欠点があるため、今後改善する必要がある。他にも硬磁性相と軟磁性相の二相ナノ組織からなるナノコンポジット磁石や高温域でのNdFeB磁石の代替材料として期待されているSmFeN磁石などがある。当研究室では超急冷やメカニカルミリングなど様々な手法を駆使して、高性能な永久磁石を作製することを目的とする。あらゆる視野を持って次世代の永久磁石の開発を狙っている。

金属ガラス

金属ガラスの画像

金属ガラスを一言で言うと、「ガラスの性質を持った金属」を指す。鉄などの一般的な金属は原子は規則正しく並んでいるが、金属ガラスの場合は固体状態でもガラスのように原子配列がランダムに配列している。つまり、一般的な金属と金属ガラスは結晶構造に違いがあり、ガラスのようなアモルファス構造を持つことで今までの金属以上の優れた特性がみられる。一般的な金属の場合、酸化し腐食が進むが、金属ガラスは表面が均一で乱れている部分が存在しないため、腐食しにくい性質をもつ。このように優れた性質を持つことから、生体材料や小型医療機器などへの応用が広まっている。金属ガラスは歴史の浅い分野であり、まだまだ解明されていない未知の分野でもある。当研究室では金属ガラスをバルク化し、従来品と結果を比較し、新たな分野への応用を目指している。

金属触媒

金属触媒の画像

触媒とは、自らは変化せずに反応を促進させるものをいう。この触媒反応を利用することで、クリーンな社会をつくることに多大な貢献を寄せている。特に、NOxやCOなどの有害ガスを無害なガスに変えるのには白金触媒が広く用いられている。しかし、白金は希少資源であるため、その代替材料の開発が急務となっている。当研究室では、触媒Pt以外の新しい合金系で、高い触媒能を有するプラチナフリーな新規合金触媒を開発する。実験は当研究室のみならず、物質・材料研究機構やSpring-8などの放射光施設を利用し、新規合金触媒を開発に日夜取り組んでいる。

イベント スケジュール(予定)

[ 3 月 ] 研究室配属 B4歓迎会
[ 5 月 ] 内部院試 院試お疲れ様会
[ 6 月 ] 田村先生お誕生日会
[ 9 月 ] ゼミ旅行
[ 10月 ] OB会
[ 11月 ] 理大祭
[ 12月 ] 忘年会
[ 1 月 ] 新年会
[ 2 月 ] 卒論・修論発表会
[ 3 月 ] 卒業式 謝恩会 OB会 etc