icon image

Research

研究テーマ



研究テーマ


 樋口研究室では、5Gおよびそれ以降の無線通信システムで求められる超高速・大容量通信、超高信頼・低遅延通信、超多数同時接続、超カバレッジ拡大、および超低消費電力化をはじめとする緒機能の実現と高度化のために、「ディジタル変復調・符号化技術」、「無線アクセス・ネットワーキング技術」、および「マルチアンテナ伝送技術(MIMO)」を柱とする研究を進めています。

Research History
樋口および樋口研究室の主要な研究歴です。無線通信システムに係る互いに影響しあう幅広い要素技術を研究室メンバーが分担して研究しているので、所属の学生さんは、がんばれば高い専門性と広い視野を兼ね備えた実システムに資する技術者になれます。若いうちの柔軟で自由な発想や馬力は何ものにも代えがたいので、十分勉強してからなどと考えずに果敢に研究に取り組んでほしいと思っています。



ディジタル変復調・符号化技術の研究


 無線区間のマルチパスフェージングや雑音・干渉に強いディジタル変調法、復調法、誤り訂正符号化、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、およびその制御法の実現を目指します。

 キーワード:超高効率化、超低遅延化、超高信頼化、マルチキャリア、OFDM、シングルキャリア、DFT-Spread OFDM、ピーク電力(PAPR)抑圧、非直交・非線形信号処理、誤り制御(誤り訂正符号化、HARQ)、適応リンク制御

Donwlink PAPR Reduction
下りリンクPAPR抑圧法の研究例です。MIMOチャネルのヌル空間を活用してPAPR抑圧信号がデータに与える干渉を回避しています。特にMassive MIMO時に威力を発揮します。

Uplink PAPR Reduction
上りリンクPAPR抑圧法の研究例です。PAPR抑圧信号帯域をユーザ間で共通化することで帯域損を減らしています。上りリンク(端末送信側)のPAPR抑圧は今後ますます重要となります。

Advanced HARQ
HARQ高度化の研究例です。再送による低誤り率実現の代償として生じる伝送遅延と帯域損を、限界まで抑圧することを目指しています。



無線アクセス・ネットワーキング技術の研究


 無線アクセスとは、時間・周波数・電力/符号といった無線通信に必要なリソースを複数ユーザ端末間で共有するための技術です。超高速・超高効率パケット伝送の実現に必要な無線アクセス法を研究しています。また、たくさんの基地局を面的・3次元空間的に配置して実現されるセルラネットワークシステムの高度化についての研究も行っています。

 キーワード:超大容量化、端末間公平性、超多数同時接続、伝送遅延時間保証、超カバレッジ拡大、消費電力低減、多元接続、OFDMA、非直交多元接続(NOMA)、干渉キャンセラ・マルチユーザ検出、スケジューリング、基地局スリープ制御、セル間・ネットワーク間干渉制御、接続セル選択、ヘテロジーニアスネットワーク(HetNet)、ピコ/フェムト基地局、非地上系ネットワーク(NTN)、高高度擬似衛星(HAPS)、リレー伝送、マルチサービス(ユースケース)、ダイナミックTDD、ゲーム理論、機械学習

MIMO-NOMA
樋口研究室が提案したビーム内重畳符号化に基づくMIMO-NOMA法です。3GPPにおいてMUSTの名称でLTE-Advencedの標準仕様に採用されています。

RTD Aware Scheduling
無線通信を使ってモノのフィードバック制御を行う場合、アプリサーバでの処理時間に上下リンクのデータ伝送時間を加えた往復伝送遅延を意識した上下リンクのスケジューリングが必須となります。

Hetrogeneous Networks
送信出力の異なる2種の地上基地局と上空から広い通信エリア(セル)を作るHAPS基地局が混在するHetNetの例です。どう使えば最大の相乗効果が得られる?



マルチアンテナ伝送技術(MIMO)の研究


 複数アンテナを活用して無線信号伝送品質を改善するMIMO伝送法を研究しています。MIMOは、無線通信の高速・大容量化と高信頼化の両方の目的に大きく寄与する重要技術です。

 キーワード:超高速化、超大容量化、超高信頼化、ミリ波、カバレッジ拡大、Massive MIMO、分散・セルフリーMIMO、C-RAN、接続アンテナ(TRP)群選択、空間多重、ビームフォーミング(プリコーディング)、ダイバーシチ、時空間符号化、マルチユーザMIMO、マルチキャスト

Principle of MIMO Multiplexing
MIMO空間多重による高速化の原理です。送受信アンテナのいずれかが1本ならx1しか伝送できない時間で、2 x 2 MIMOだとx1とx2を同時に伝送できます。送受信アンテナがN本に増えると?

Massive MIMO and Distributed MIMO
Massive MIMOと分散MIMO、適材適所であり、どちらも今後より重要になると考えられます。実システムでよりうまく動かすため更なる研究開発が必要です。

MIMO Multicast
特定の複数ユーザに同一のデータを送ることをマルチキャストといい、IP放送等が該当します。MIMOを活用したマルチキャスト高度化の研究を行っています。