研究目的
 微粒子で表面を覆った微粒子担持薄膜は通常の薄膜より表面積が大きく、用いる粒子の機能をそのまま活かせやすい
という特徴から、近年ナノテクノロジーの観点からも注目されている。しかし、現状の膜形成法である泳動電着法では高電圧(約100V以上)の印加が 必要であるので、低電圧での膜形成法の確立が望まれている。低電圧(0.3V以下)での微粒子担持薄膜調製法として、佐治らによるミセル電解法が知られている。しかし、これまでのミセル電解法の適用範囲は疎水性の高い有機微粒子に限られていた。そこで本研究では、低電圧で膜形成可能なミセル電解法の特徴を活かし、ミセル電解法を用いた無機微粒子担持薄膜の調製を目的としている。


将来の方向性
現在までに、少量の油を添加することでミセル電解法により種々の無機微粒子(シリカ、チタニア、アルミナなど)担持薄膜の調製に成功している。これにより、湿式太陽電池など表面積がその機能性に大きく関与する材料開発などへの応用が期待される。

キーワード

 ミセル電解法、ナノテクノロジー、湿式太陽電池

関連装置

ポテンシオスタット       →  定電位電解酸化
ファンクションジェネレーター  →  電極表面積の測定
超音波照射器          →  サスペンション分散
走査型電子顕微鏡        →  膜の表面観測