研究目的
 金属ナノ粒子調製法の一つとして、W/O型エマルションの水滴を微小反応場として用いる方法が知られている。しかし、この方法で調製される微粒子には不純物として界面活性剤が混入するため、金属が本来もつ性質をそこなう恐れがある。一方、当研究室ではこれまでに、適切な条件で超音波処理を行うことにより、界面活性剤を添加することなく準安定なサーファクタントフリーO/W型エマルションが調製できることを報告している。同様の方法で新たにサーファクタントフリーW/O型エマルションを調製できれば、その水滴をクリアな微小反応場として利用することで、より高純度の金属微粒子の調製が期待できる。さらに、水に超音波を照射した際に発生する水素ラジカルを還元種とすることで、還元剤も含まない粒子の調製が期待される。そこで本研究では、安定なサーファクタントフリーW/O型エマルションを微小反応場とした超音波照射による金属ナノ粒子の調製を目的としている。

将来の方向性
現在までに、サーファクタントフリーW/O型エマルションを微小反応場として、金、銀ナノ粒子の調製に成功している。
さらに、他の金属ナノ粒子の調製を試みる。
調製される粒子の形状や大きさの制御。


キーワード

 界面活性剤無添加、W/O型エマルション、ナノ粒子


関連装置

超音波照射器       →  エマルションの調製、および金属前駆体の還元
透過型電子顕微鏡     →  粒子の評価
紫外可視分光光度計    →  粒子の評価