研究目的
 近年、多孔質材料は触媒担体、吸着剤などとして用いられ、さらにその細孔の形状、サイズの制御により多様な化合物を対象とした分子ふるいなどへの応用も期待されている。なかでもメソポーラス金属酸化物は界面活性剤が形成する分子集合体を鋳型として用いて、金属酸化物前駆体の加水分解・重縮合反応で生成する粒子から界面活性剤を除去することで得られる。そのため細孔は界面活性剤分子集合体の形状、サイズに大きく依存する。また、規則的細孔構造、メソ領域での均一な細孔径、高比表面積などの優れた特性を有するため、様々な分野への応用が期待されている。一方、カチオン/アニオン界面活性剤混合系水溶液はカチオン界面活性剤とアニオン界面活性剤の組成比の違いにより様々な分子集合体および大きさを形成するという特異的な溶液物性を示すことが知られている。そこで本研究では、カチオン/アニオン界面活性剤混合系を用いてメソポーラスシリカ・チタニア粒子を調製し、詳細に細孔径を制御することを目的としている。

将来の方向性
 現在までに、鋳型となる界面活性剤のアルキル鎖長を変化させたり、カチオン/アニオン界面活性剤混合系を用いることにより、オングストロームオーダーで細孔径を精密に制御することに成功している。これにより、オングストロームオーダーでの分子ふるいなどへの応用が期待される。

キーワード

 メソポーラスシリカ、メソポーラスチタニア、細孔径制御


関連装置

X線回折測定       →  細孔構造、結晶性の評価
透過型電子顕微鏡     →  細孔構造の観察
窒素吸着測定       →  比表面積の評価