研究目的
 近年、界面活性剤水溶液の溶液物性あるいは分子集合体の形成・崩壊を、外部刺激により制御する試みが盛んに行われている。酸化還元活性なフェロセン(還元体)は疎水性であるが、その酸化体であるフェリシニウムカチオンは親水性を有するため、フェロセニル基を分子内に導入したフェロセン修飾界面活性剤を用いれば、分子集合体の形成・崩壊を電気化学反応により可逆に制御することができる。当研究室では、フェロセン修飾界面活性剤を用いて、
(1) ミセルの可溶化能の電気化学制御
(2) ベシクルの形成・崩壊の電気化学制御
(3) ひも状ミセル水溶液が示す粘弾性の電気化学制御
について検討を行っている。


将来の方向性
分子集合体内部に保持した薬剤、香料等の放出制御やBでは新規な電気粘性流体として、インクジェット用インク、流量コントロールシステム、バルブなどへの応用が期待される。


キーワード

 フェロセン修飾界面活性剤、酸化還元反応、


関連装置

ポテンシオスタット       →  CV測定、定電位電解酸化
ファンクションジェネレーター  →  CV測定、定電位電解酸化
ガスクロマトグラフィー     →  可溶化能の評価
透過型電子顕微鏡        →  分子集合体の構造観察
レオメーター          →  溶液粘弾性の評価
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