研究生 募集要項
当研究室は、生体模倣化学、応用電気化学、高分子化学、応用界面化学などを専門領域とし、下記のような研究を展開しています。
当研究室では、研究室の仲間と協力してまじめに実験に取り組み、かつ、意欲的に研究展開する人を希望しております。
特に、将来、研究者あるいは技術者を目指す大学院進学希望者を歓迎します。
研究テーマ
「ナノドラッグデリバリーシステム(n-DDS)」に関する研究
副作用を極力抑えながら癌を効果的に治療するためには、抗癌剤を目的部位へ選択的に送達させる必要があります。
我々は、リポソーム(リン脂質二分子膜でできたカプセル)などをキャリアとし、金属ポルフィリン錯体を薬剤とする n-DDS に基づいた抗癌剤の開発を行っています。
さまざまな金属ポルフィリン誘導体の合成や各種キャリアの物理化学的評価を行うとともに、細胞やマウスを用いた動物実験を含めた総合的な検討を行っています。
「細胞機能をコントロールする高分子材料」に関する研究
生体を構成している細胞は、外部から刺激を受け様々に変化します。 この刺激を伝達するものとして特に重要なものは、タンパク質です。 タンパク質と細胞膜のレセプターが結合することで細胞機能の変化が起こります。 この研究の目的は、細胞膜表面に結合してタンパク質とレセプターとの結合を調節するポリマーを合成し、人工的に細胞の機能を変えることです。 これにより、移植しても拒絶反応がない細胞など、次世代医療の礎となる細胞材料の創製を目指します。
「金属錯体系をベースとする固体高分子形燃料電池(PEFC)カソード触媒」に関する研究
生体内では、ヘム鉄を活性中心とするシトクロム c 酸化酵素において、酸素分子の4電子還元反応が効率的に行われています。 我々はこの反応をヒントに、金属-窒素構造を活性点とする PEFC カソード触媒の開発に取り組んでいます。 現在、PEFC カソード触媒には白金が用いられていますが、白金は希少で高価な元素であるため、これを代替する安価な触媒が求められています。 当研究室では、金属ポルフィリンや金属ポリピロールなどの金属錯体系を前駆体とする、高活性・高耐久性カソード触媒の開発を目指しています。
「機能性ダイヤモンド」に関する研究
導電性ダイヤモンドは、電位窓が広い、残余電流が小さい、物理的・化学的に安定といった優れた性能を有する電極材料です。 当研究室では、表面修飾や多孔質化などのダイヤモンド表面制御技術を駆使して、電気化学センサー、微小電極、電気二重層キャパシタ、燃料電池触媒担体、二酸化炭素還元電極などへの応用を目指した研究に取り組んでいます。 また、ダイヤモンドナノ粒子を原料とする多孔質ダイヤモンド球状粒子を作製し、化学的に極めて安定な新規多孔質材料として、物質分離や触媒担体などへの利用を目指しています。
「光触媒を用いた環境浄化」に関する研究
酸化チタン光触媒に励起光を照射すると、強力な酸化力を持つ正孔が生成し、水や有機物を分解することができます。 当研究室では、太陽光を効率的に利用できる可視光応答型光触媒を用いた環境浄化に関する研究に取り組んでいます。