偏光の不思議
ここでは液晶の理解に不可欠な「偏光」についてお話しよう。「偏光ってなに?」っていう質問に一言で答えるとすれば、偏光とは「ある方向を持った光」と答える事ができる。
偏光子って知っていますか?
偏光子とは、ある一方向の光以外を吸収し、残った一方向の光のみを透過するものです。
すっごい細かなスリットのついたフィルターとイメージしてくれると分かりやすいだろう。

左図は偏光に関して光と偏光子とを模式的に表した図です。
黒い線と赤い線が直交した2方向の光を表している。
実際には、太陽や蛍光灯から出る光は全ての方向の成分を持った光(全方位光)である。
しかし、どんな方向を持っていたとしても、それは直交する2つの成分に分けることができる。
だから、光は模式的に直交する2成分に分けることができる。
そして、偏光子が光とぶつかっているね。
最初の偏光子は、縦方向の光を通して、横方向の光を通さないような偏光子。
だから縦成分を持つ黒い線の光は通るけど、横成分しか持たない赤い線の光は消えてしまうんだ。
次にまた縦方向のみの光を通す偏光子があるね。
最初の偏光子を通った残りの光は縦方向の成分だけを持った光だから透過することできる。
でも、縦方向の成分しかないから、その後の横方向の光しか通さない偏光子は通る事ができないんだ。
これが偏光と呼ばれる現象です。
この現象を用いて液晶ディスプレイは、光を通したり遮断したりしているんだ。