研究概要

地球環境工学研究室(小島研)の主な研究課題

Earth Environmental Science & Technology Laboratory

概要

地球環境工学研究室(小島研)では、国土を対象とした「調査(環境監視)、計画、防災」、いわゆる「国土の管理支援」を目的として、地球観測データの処理・解析技術に関する研究・開発に取り組んでいます。

特に、人工衛星や航空機から観測されるリモートセンシングデータや地理情報を融合する処理・解析技術に関する研究・開発が主眼となっています。

考案した独自の処理・解析モデルを誰もが利用できるように、システム化していくといった実用化研究へと展開しています。

また、数十年にわたる研究の成果である膨大なソフトウェア群が基礎となり、インターネット環境下で稼働する様々な情報提供・管理システム、処理・解析システムの設計・開発も進めています。

土木工学という専門分野に立脚し、「環境・情報科学研究」と「複雑系科学研究」を融合するといった新たな学問体系を模索するとともに、常に研究内容の実用化(特許戦略含む)を念頭においた活動を展開しています。

主な研究テーマ

  1. 国土防災への衛星データと地理情報の活用(斜面崩壊危険箇所評価等)
  2. 衛星データを用いた国土の調査と分析(植生指標時系列分析、土地被覆分析、市街地変遷等)
  3. 衛星データと地理情報を併用した土地利用構想計画支援に関する研究
  4. インターネット環境下で稼働する各種画像処理解析システム、情報提供管理システムの構築
  5. 合成開口レーダ画像の活用分野の開拓
  6. ハイパースペクトルデータの利用普及支援を目的とした基礎的研究
  7. 目の錯覚(錯視)を利用した各種画像処理・解析手法の開発 (画像特徴合成強調・判読支援動画他)
 継続する研究テーマ、新規スタートする研究テーマを合わせて、以下のような研究課題があります。

1)次世代リモートセンシングデータの活用方法に関する研究

人工衛星を用いた地球観測データの種類はますます多くなり、その精度は急速に向上しています。 新しい地球観測衛星も次々と打ち上げ計画が進んでいます。 こうした状況の中で、近未来の地球観測データに焦点を合わせた上で、その利用方法についての可能性を検証します。 具体的には、以下の研究テーマが考えられます。人工衛星を用いた地球観測データの種類はますます多くなり、その精度は急速に向上しています。 新しい地球観測衛星も次々と打ち上げ計画が進んでいます。 こうした状況の中で、近未来の地球観測データに焦点を合わせた上で、その利用方法についての可能性を検証します。具体的には、以下の研究テーマが考えられます。

  1. 建設分野における航空機Pi-SARデータの適用性について
  2. ハイパースペクトルデータを用いた土地被覆分類精度について
  3. 二周波・多偏波合成開口レーダデータの適用分野の開拓
  4. 遺伝的アルゴリズムを導入した画像幾何学的歪補正手法の開発(特許戦略関連)
  5. 建設分野におけるWorldView-2データの適用性について
  6. 高分解能衛星画像内の影領域補正精度の向上に関する研究

2)国土情報の効果的な取り扱い方に関する研究

国土防災や国土管理に関してわが国が大きく転換しようとしている時期にあって、 国土調査情報の効果的な利用方法についての研究開発が遅れていることが指摘されています。 ここでは、インターネット環境下で稼動できる国土調査情報の提供・管理システムを構築することを計画しています。 大きな研究テーマですが、行政支援に直結した大変興味深い内容です。

3)地盤液状化誘因広域逆推定問題

地震や地下水位変動等の地盤液状化誘因は、広域にわたって観測することが困難であることは言うまでもありません。 本課題では、液状化誘因を観測不可能な変量(潜在変量)とみなし、液状化既発生地をもとにこれを逆推定しようとするものです。 衛星データと地理情報を説明変量とし、「共分散構造分析法」を駆使して液状化誘因逆推定図の作成と評価精度に関する研究に挑戦しています。

  1. 地盤液状化誘因広域逆推定図の解釈の問題
  2. 地盤液状化誘因広域逆推定モデルの感度分析

4)斜面崩壊危険箇所評価モデルの構築

統計学や確率理論をベースに自然斜面の崩壊を効果的に予測しようとするものです。 これまでに多くの研究成果を出すと共に国内外において高い評価を得ています。 国土防災対策の中心的な予測モデルとして今後も改良を加えていく予定です。 当面、以下のテーマで既存システムの機能増強を図る予定です。

  1. 衛星リモートセンシングデータを導入した斜面崩壊形態別誘因広域逆推定システムの構築
  2. 斜面崩壊形態別・誘因逆分解推定精度について
  3. 斜面崩壊危険箇所評価図の解釈について(エントロピー理論の応用:曖昧性評価)
  4. 衛星リモートセンシングデータを導入した斜面崩壊誘因影響図の作成

5)土地利用計画と都市環境分析

都市計画や地域計画にとって土地利用計画と都市環境分析は最も基本的な課題です。 これまでも、多くの研究成果が公表されておりますが、実際に利用するには解決しなければならない課題が多く残されていることが指摘されています。 当研究室では、衛星データの利用と数学モデルの導入を前提とした先端的な考えの下に実践的な研究を続けると同時に、 実際の行政を支援することのできる実用的な成果を出し続けております。 具体的には、以下の内容が当面の課題になっています。

  1. 階層化意思決定法を導入した土地利用構想計画支援システムの開発
  2. 市街地変遷シミュレーションモデルの開発(拡散凝集モデル、セルラーオートマン、フラクタル理論他)
  3. 衛星データを用いた土地被覆分類精度の向上(遺伝的アルゴリズムの応用等)
  4. 衛星データから作成される植生指標図の精度評価(遺伝的アルゴリズムの応用等)
  5. 植生指標時系列分析アルゴリズムの構築

6)目の錯覚(錯視)を利用した各種画像処理解析手法の開発

「目の錯覚(錯視)」を利用した各種画像処理・解析に関わる萌芽的研究開発に取り組んでいます。 現在、画像判読支援動画作成アルゴリズムの研究が主眼となっています。 取り扱う画像は、「衛星画像、医療画像、天体観測画像、考古学系画像、検査・計測画像、ロゴ画像」等、多岐に渡っています。 当該技術の拡張性とインターネット環境下における産業振興(特許戦略含む)支援策に関する検討に取り組んでいます。

  1. 合成開口レーダ画像を対象とした錯視誘発画像特徴合成強調動画の適用性に関する研究
    (他機関との共同研究課題)
  2. 錯視誘発画像特徴合成に対するリアルタイム視認性評価に関する研究
    (他機関との共同研究課題)

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