研究内容

■非ニュートン(粘弾性)流体
乱流状態の水流に界面活性剤や高分子化合物を添加すると,乱流が抑制される現象が発生します.これはトムズ効果と呼ばれており,ポンプ動力にかかる乱流分の抵抗を大きく(80%程度)減らすことが出来ます.界面活性剤を使用した場合,地域冷暖房など循環系への省エネルギー効果が期待されています.しかし,トムズ効果に関する研究は半世紀近く行われてきていますが,未だ解明に至っていないのが現状です.そのため,現象解明を目的とし,下図のような複雑流路などの物性が一様ではない流れ場に着目して研究を行っています.

■ポリマー
作成中

■粗さを有する壁面の流体抵抗と壁面近傍の速度分布との関係
私たちは船舶メンテナンスの評価基準に役立てられる乱流抵抗の基礎研究を行っています.船舶はメンテナンスを必ず定期的に行っておりまして,大きな船では高額な費用がかかってしまいます.メンテナンスをする理由と致しましては船舶が航行する時,表面の塗料の剥離やフジツボ等の海洋生物による粗さに起因する摩擦抵抗が生じてしまい,燃費の悪化につながってしまう為です.従いまして,粗さと摩擦抵抗の関係を見積もる事が大事になります.このような背景のもと,所属する研究室では粗さを持った船舶表面を模擬して研究を行っております.そして,今後は摩擦抵抗の予測式を粗さ形状と流体力学という観点から構築し,この式で定期的なメンテナンスの評価を目指していきます.

粗さ周りの流れ場

■物質拡散
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■砂漠
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■格子乱流
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■血液適合性に優れた血液ポンプの研究開発
ポンプ内部の羽根車が,血液自身の潤滑効果により非接触駆動する動圧浮上遠心血液ポンプと点接触で支持されるモノピボット遠心血液ポンプの研究開発を行います.CFD(Computational Fluid Dynamics)・PIV(Particle Image Velocimetry)によるポンプ内の流れ解析,羽根車のポンプ内位置計測,in vitro血液適合性試験(溶血・抗血栓性評価)を行い,耐久性,血液適合性に優れた血液ポンプを目指します.
 また,血液ポンプの周辺機器として,体内埋込型人工心臓の出入口に用いられる曲がり管自体をセンサとした小型質量流量計の研究開発を行います.