「生物物理学I」の過去問集

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1989
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  1. 現在よく利用されているタンパク質三次構造解析法を挙げよ。
  2. 1.で挙げた方法について、その測定法から得られる情報は分子の何についての情報か答えよ。
      またその情報からどの様にして三次構造を導き出すか説明せよ。
  3. <選択問題。四問中二問>

  4. X線結晶解析などで使用するX線と物質との相互作用の様式を簡単に説明せよ。
  5. スペクトルの解析において低温スペクトルがよく利用される。それが有効である根拠を簡単に述べよ。
  6. α、βをオペレーターとした時、[α、β]=αβーβαと定義する。x および px をそれぞれ x = x・ および px = -i(h/2π)(d/dx) というオペレーターとした時の[x、px] を求めよ。
  7. 生体膜の主な構成成分を挙げよ。そのうち親水性物質(例えば Na+等)に対する 透過障壁として有効な成分は何か。
      またそれはその成分のどういった性質によるのか。
1990
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  1. UVランプはよく殺菌灯として使われている。その有効波長はどれくらいか。 また、なぜその波長が有効であるのか理由を説明せよ。
  2. 一般の有機化合物の吸光スペクトルは、線スペクトルというよりは、ある巾を 持つのが常である。そのようなスペクトル線の巾は何に由来するのか説明せよ。
    また、そのことから、低温スペクトルがどのような点で有効であるのか述べよ。
  3. 分子動力学法の特徴をあげよ。さらに、通常使われている動力学における時間幅 1 fsec 程度がなぜ決まるのか、説明せよ。
  4. 筋肉の構造上の特徴は何か。一つあげよ。また、その特徴と mechanochemical energy transductionの機構との関係について考察せよ。
1991
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  1. 筋肉の生理学と生化学についての次の質問に答えよ。
     経験によると、高負荷時(重いものを持つ)、エネルギーを大量に使いながら (疲れるにも関わらず)、ゆっくりしか動けない。低負荷時(空身)、エネルギーを 使わないでも(疲れずに)、速く動くことができる。
     一方、生化学的な研究から得られた下図のようなモデル(省略)で、一ステップの滑り (コンフォメーション変化)と ATP 分解がきっちりと共役しているモデルでは、 高負荷時・低負荷時にエネルギー使用と速度は、どのような関係になると推測されるか。
  2. 生体高分子物質(主にタンパク質)の構造安定化に寄与する非共有結合性の 相互作用の種類を挙げ、性質について記述せよ。
  3. ベンゼンのπ電子軌道を直径 2.78 Åの円と考えるとき、その電子軌道のエネルギーを 計算し、さらに 6 個の電子が存在するとき、光の吸収による電子状態励起にともなう最長吸収波長を 見積もれ。
    (-(h2/(8π2m))(d2ψ/dx2)=Eψ, E=p2/(2m), p=h/λ、E=hν、h=6.626x10-34Js, c=2.998x108m/s, me=9.1x10-31kgを 使用してよい。
1992
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  1. 生物(物理)学の研究において問題となる諸反応の時間領域(time scale)を 対数目盛りのグラフに表し、その各領域に対応する原子・分子の物理化学的な現象を 記述せよ。さらにその各物理化学的現象の測定・分析法について、その使用機器および 原理を述べよ。
  2. 生体の mechano-chemical energy transduction(力学ー化学反応エネルギー変換) における分子機械であるミクロモーターの特徴を述べよ。
1993
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  1. 生体高分子、特にタンパク質の高分解能三次元構造を解析する方法を列挙し、 その中のどれか一つの原理と特徴を述べよ。
  2. 高等動物の脳・神経機能の特徴として”学習する事ができること”が挙げられる。 その特徴の原理は、最近ニューロコンピューター等の工学分野で利用されるようになってきた。 その特徴とは神経細胞のどのような性質に由来しているのか簡単に述べよ。 またその性質の生化学的機構の研究が進展しつつある。現在そのような機構としてどのような (仮)説が知られているか、簡単に述べよ。
1994
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  1. 筋肉の興奮ー収縮連関において、情報が変換される際の各段階の特徴(その伝達情報の形態の 変換過程等を含む)を述べよ。
  2. 計算機を用いた分子動力学シミュレーションによって、一般にはタンパク質のコンフォメーション 変化は追跡できないとされている。その主な理由とその改善策を記述せよ。
1995
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  1. タンパク質の機能と構造を研究する上でその3次元構造決定の持つ意義を、例を用いて論ぜよ。
  2. テトラサイクリン輸送タンパク質である薬剤耐性因子、tetA 遺伝子産物のエネルギー共役機構を、 輸送タンパク質精製再構成系を用いて研究した。以下の結果から、どのようなエネルギー共役機構により 輸送が行われていると考えられるか。
    @再構成リポソーム内に 50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)と 2mM MgSO4を入れ、 外液は 50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)と 2mM MgSO4にして、バリノマイシンを加えて 膜電位を発生させ、放射性アイソトープ標識のテトラサイクリンの取り込みを測定したところ、 取り込みが見られなかった。
    A再構成リポソーム内に 50mM リン酸カリウム緩衝液(pH5.5)と 2mM MgSO4を入れ、 外液は 50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)と 2mM MgSO4にして、バリノマイシンを加え、 放射性アイソトープ標識のテトラサイクリンの取り込みを測定したところ、取り込みが見られた。
    B再構成リポソーム内に 50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)と 2mM MgSO4を入れ、 外液は 50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)と 2mM MgSO4にして、バリノマイシンを 加えて膜電位を発生させ、放射性アイソトープ標識のテトラサイクリンの取り込みを測定したところ、 Aの場合と同程度の取り込みが見られた。
    C再構成リポソーム内に 50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)と 2mM MgSO4を入れ、 外液は 50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)と 2mM MgSO4にして、バリノマイシン を加え、放射性アイソトープ標識のテトラサイクリンの取り込みを測定したところ、Aと同程度の 取り込みが見られた。
    D再構成リポソーム内に 50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)と 2mM MgSO4を入れ、 外液は 50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)のみにして、バリノマイシンを加え、放射性 アイソトープ標識のテトラサイクリンの取り込みを測定したところ、取り込みが見られなかった。
  3. タンパク質折り畳みは、試験管内の折り畳み実験の結果、そのアミノ酸の1次構造にその情報が すでに存在すると考えられている。特にタンパク質の熱安定性は、疎水性アミノ酸の効果が大きいとされ、 蛋白質工学で安定化タンパク質を設計するときの一つの指針となっている。
     あるタンパク質の内部(タンパク質表面にない)で、Ser が水素結合も形成せず独立に存在する場合、 そのアミノ酸を Val に変えた変異体は、もしもその変異が構造上なんら歪みも与えないとすると、 そのタンパク質の熱安定性を向上させると考えられるかまたは低下させるとかんがえられるか。 その理由についても考えられるところを記せ。
1997
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  1. X線結晶構造解析における散乱因子 F(hkl)は、次のように表せる(省略)。
    h,k,lは逆格子点、つまり散乱X線の方向ベクトルと考えられる。fjは単位格子内のj番目の 原子の原子散乱因子、xj、yj、zj、はその原子の単位格子の原点に 対する座標をそれぞれの軸の周期との比として表したものである。求和は単位格子内の全原子について行う。
     さらに、2回らせん軸を持つ場合、例えば、格子の原点を通ってy軸方向に2回らせん軸がある場合、 (x,y,z)と(-x,y+1/2,-z)にある原子が対称要素によって結ばれる。
     その時、散乱X線の消長にある規則性が見られる。その規則性を導け。
  2. 疎水相互作用は何に由来するか。熱力学の言葉を用いて説明せよ。
  3. タンパク質折り畳みの中間体はどのような状態と考えられているか。 折り畳み過程が遅いのは、どのような理由によると考えられるか、化学反応速度論の立場から議論せよ。
1998
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  1. Muller のモデルに従い、タンパク質変性に絡んで疎水基が水和するときの エンタルピー変化、エントロピー変化(アミノ酸残基当たり)が以下のように 表されるとする。また、タンパク質の安定性に関わる自由エネルギー変化のほ とんどが疎水相互作用によると考えられている。すると、タンパク質変性の自 由エネルギー変化は以下の式で表される。その時、タンパク質の変性に関わる エンタルピー変化(アミノ酸残基当たり)の温度依存性が、ある温度で一点に 収束することを示せ。

    エンタルピー変化(疎水水和によるエンタルピー変化; hydrophobic hydration)
        ΔHhph = ΔCp(T-307)
    エントロピー変化(疎水水和によるエントロピー変化)
        ΔShph = ΔCplnT/389
    変性の自由エネルギー変化
        ΔG = ΔH - TΔS
          = ΔHres + ΔHhph - TΔSres - TΔShph
    = (ΔHres + ΔHhph)(1 - T/Tm) + ΔCp[(T - Tm) - Tln(T/Tm)]
    (Tm, denaturation temperature で今の場合 355K で変性するタンパク質を 考えることにする; ΔCp, 変性による熱容量の変化; ΔHres, タンパク質変性に関わるエンタルピー変化のうち疎水相互作用によらない部分 (アミノ酸残基当たり); ΔSres, タンパク質変性に関わるエン トロピー変化のうち疎水相互作用によらない部分(アミノ酸残基当たり)で 普通 Rln8 = 18 J-1mol-1K-1で ある; T, 考えている温度)

    [ヒント] 自由エネルギー変化の式で T = 307, ΔSres = 18 と 置くことにより、ΔHresを表す式を導き、それを
      変性に関わるエンタルピー変化
        ΔH = ΔHres + ΔCp(T - 307)
    に代入して変形すれば得られる。

  2. タンパク質のモルテングロビュール状態は、二次構造は保持されているが 三次構造が壊れている状態であるとされる。そのような状態であることを示す 実験的な測定法を列挙し、その測定から得られる情報について説明せよ。
1999
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  1. 分子動力学シミュレーションでは、対象とする分子を構成する各 原子の時々刻々の座標と速度の情報が得られる。あるタンパク質のシ ミュレーションを行った時、安定なシミュレーションであったかどう かを判断するために調べる性質(指標)の名称とその値を算出するた めの数式を記述せよ。また、その系の温度を算出するための数式はど のようなものか?

  2. X線結晶構造解析では、その結晶の対称性により回折格子点の現れ 方にある規則がある。散乱因子を表す式を次のものとし、
       Fj(hkl)=fjexp2πi(hxj+kyj+lzj)
    結晶が体心立方の対称性であったとき、回折格子点の現れ方の規則性は どのように算出されるか。体心立方とは、以下の図(略)のような格子 の場合である。そしてその時には、(x,y,z)に原子があれば、必ず、 (x+1/2,y+1/2,z+1/2)に原子があるから、これらをまとめて計算すると、
       Fj(hkl)=fjexp2πi(hxj+kyj+lzj)+ fjexp2πi{h(xj+1/2)+k(yj+1/2)+l(zj+1/2)}
    より規則性を求められるはずである。

  3. Muller のモデルでは、ΔHhph=ΔCp,298(T-307)、 ΔShph=ΔCp,298ln(T/389)と書き表せる。 その時、疎水水和は疎水性物質の不安定要因か、安定要因か?また、なぜ そのように考えられるのか?

2000
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  1. 疎水相互作用の特徴を簡単に述べよ。
  2. X線結晶構造解析における Braggの条件を記し、その関係式を導出せよ。
  3. 熱によるタンパク質変性過程ではどのような中間体が存在すると考えられるか。 変性過程の順を追って説明せよ。
2001
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    今回はじめて、ノート、プリント、参考書、電卓などの持ち込み可としました。

  1. 下の関数f(x)をsin,cos のフーリエ級数に展開せよ。
       f(x)= +1,  0<x<π 
           -1, -π<x<0 
          また、x=0やx=±πの時は、f(x)は+1から-1までの任意の 値を取る。
       つまりグラフに表すと、右図のようになる(省略)。
     但し、フーリエ級数展開とは関数g(x)を g(x)=a0+ Σansinnx+Σbmcosmx の形に展開する時、 その各係数anやbmを求めることである。 (xは-π≦x≦πで定義されているとする。)
    ヒント:f(x)は奇関数である。そのため、a0やbmは 0と見なしてよい。また講義プリントより、sinnxやcosmxは 直交している。そこで、結局、両辺に右からsinnxを掛けて、 anを求めればよい。そして、sinnx・sinnx の-π≦x≦πでの積分値はπとなることを用いればよい。
  2. Privalovの考え方では、疎水水和は安定化要因とされる。 それは疎水性物質の水和状態とどのような状態とを比較してい ることのために、安定化と見なされることになるのか。また普 通の見方では、疎水水和は不安定化要因と感じられる。それは Privalovの見方をどのように変更すれば、折り合いが付くこと になるか?
2002
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  1. タンパク質は aperiodic crystal と考えられる。定まった構造を持ち機能を 果たす。そのような構造形成において重要な働きをする非共有結合相互作用を挙 げよ。それら相互作用の簡単な説明と、エネルギーの見積もりを記載せよ。
  2. タンパク質構造決定にX線結晶構造解析を行う。大変短い波長を持つX線を 利用する理由を述べよ。
  3. ゲノム科学の進展により、遺伝子産物であるタンパク質の一次構造情報は指 数関数的に増加している。ところが立体構造決定は進行が遅い。そのため、一次 構造情報からの立体構造予測法の開発が待ち望まれている。そのような予測法の 分類とそれぞれのやり方を簡単に説明して下さい。
2003
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  1. バイオインフォマティクスの配列解析で使われているダイナミックプログラミングの概要を説明せよ。
  2. X線結晶構造解析では光の回折が利用されている。回折の原理を説明せよ。(2次元空間の2点(原点と位置 ベクトルr)に電子があり、光を散乱するとする。波長をλとし、入射光ベクトルをS0、散乱光ベクトルをSとする。)
  3. タンパク質折り畳みの中間的な構造としてモルテングロビュールが知られている。モルテングロビュールの構 造的特徴を記述せよ。
2004
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  1. ゲノム科学により塩基配列、さらには遺伝子のアミノ酸配列は多数明らかになっている。 生命を理解するためには、各遺伝子の機能を知り、その織りなすネットワークを定量的に理解することが 必要である。遺伝子産物であるタンパク質は、特別な立体構造に基づいてそれぞれ特異な機能を果たすとされる。 そこで、まず立体構造を知ることが必要である。配列から立体構造を予測する手法を列挙せよ。
     その中で、計算機シミュレーションによるタンパク質折り畳み構造予測は何故重要だとされるのか?
  2. ゲノム科学の進展により、遺伝子産物であるタンパク質の一次構造情報は指数関数的に増加している。 今後機能予測が重要であるとされている。そのような機能予測法の分類とそれぞれのやり方を簡単に説明しなさい。
  3. 可視光で原子レベルの解像度を得ることは無理である。その理由を述べよ。またより鮮明な像を得るための顕微鏡の改良点はどこか?
2005
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  1. ゲノム科学が進展し、次の段階として、遺伝子産物であるタンパク質の立体構造を 網羅的に解明するため、タンパク3000プロジェクトが進んでいる。実験的にタンパク質 立体構造を決定するための方法を列挙し、その特徴を説明せよ。
  2. タンパク質立体構造をシミュレーションにより予測することが難しいとされている。 その根本的な問題点を列挙し、その解決法を記述せよ。
  3. タンパク3000プロジェクトですべてのタンパク質折り畳み様式を網羅しようと努力している。 その目標数は、どの程度か。またその目標数を設定できた理由を述べよ。
2006
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  1. タンパク質折り畳み構造予測法・機能予測法をそれぞれ列挙し、それぞれの 方法について一つずつその概略を説明せよ。
  2. インシリコ生物学において、タンパク質折り畳み構造予測、機能予測、親和性 の算出、そしてシステムシミュレーションが可能となりつつある。しかし、システ ムシミュレーションを行うためには、インシリコの計算だけではまだ無理であり、 実験から出さざるを得ない情報がある。それはどのような情報であろうか。 またその情報もインシリコで推定するためには、どのような計算技術を開発しなけれ ばならないのだろうか。
  3. タンパク質折り畳みにおけるLevinthalパラドックスとはどういうことか。 またそれに対して、ファネルモデルが提唱されている。その概略を説明せよ。
2007
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  1. 生物に見られる必然的現象と偶然的現象の例を挙げて、下記文章の中の括弧に入れよ。
    生物における必然的プロセスというのは、生物らしい分子(生体部品)の物理化学的な性質による ものです。主に生体部品の構築に関わる素過程はおおむね必然的な現象です。例えば、[ 1 ]、[ 2 ]、[ 3 ]、 などは、必然性を持ったプロセスです。
    これに対して、進化に関係する現象や環境の揺らぎに基づく現象は偶然によって支配されています。 例えば、[ 4 ]、[ 5 ]、[ 6 ]、などです。
    個々の部品はおおむね必然的なプロセスでできているのですが、それらの組合せでできている生物 のシステムには偶然が大きく働いているのです。
  2. ゲノム科学時代、生命倫理に関わる問題点を2例挙げ、現在行われている対処法(心構え)を 批判的に記述せよ。
  3. タンパク質の構造と機能は密接に相関している。実験的な3次元立体構造決定法を2種挙げ、 その特徴を記載せよ。
2008
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  1. タンパク質のバイオインフォマティクスにおけるいろいろな問題をまとめた 表がある。その表の空欄(A〜D)を埋めよ。(表省略)
  2. ゲノムの比較により進化を議論する。その時、基本的には塩基配列の塩基の 変異がランダムな事象として起こることを前提にしている。その場合、配列の 中の保存度が時間に対してどのように変化するか、算出せよ。
  3. 生物のからだの階層性を次に記述している。空欄(AとB)を埋めよ。
     タンパク質→[ (A)  ]→細胞→生体組織→[ (B)  ]→個体
  4. 現在の主要な生物情報データベースとしてどのような種類があると考えるか。 データベースの種類を列挙し、それぞれのデータベースが持つ生物理解 における意味を簡単に述べよ。
2009
[1989] [1990] [1991] [1992] [1993] [1994] [1995] [1996] [1997] [1998] [1999] [2000] [2001] [2002] [2003] [2004] [2005] [2006] [2007] [2008] [2009] [2010] [2011]
  1. ゲノムDNA中の塩基に変異が入る場合がある。その頻度は、塩基の保存度として、
    N/N0 = exp(-kt)
    で表される。この関係から、生物の進化系統を調べることができる。
     さて、ある類縁種の生物同士のゲノムで、一般的な領域の類似度に比較して、大変 高い類似度を示す領域がある。このような類似度の高い領域は、どういったDNA領域と 推定できるだろうか。
  2. バイオインフォマティクスと生命倫理に関係する問題をまとめた表がある。 下記の表の空欄(A〜E)を埋めよ。(表省略)
     ゲノムから起こりえる様々な問題、として、
     個人的差別:個人の遺伝情報(プライバシー保護)、(A); (B)
     社会差別化:(C);バイオインフォマティクスによる遺伝子機能のアノテーションで特許は取れるか? 
      (D)  :遺伝子操作食品、(E)、クローン人間;生物のシミュレーションならば何でも許されるのか?
     現在は、バイオインフォマティクスがまだ未成熟で問題が顕在化していないが、 本当に良い解析ツールなどができると問題が起こるかもしれない
  3. 生物は本当に多様です。地球上の種が何種か分かりませんが、数千万種類とも 言われています。でも、それぞれが全く異なった形と言うわけではありません。 例えば、線虫からショウジョウバエ、脊椎動物までからだの節を作る遺伝子 (ホックス遺伝子)が基本的に共通です。タンパク質も大変多様な構造を持って います。分子レベルから、細胞、個体、種のレベルまで、それぞれでこれ程も 大きな多様性をもたらすために、どんな原理が働いていると考えられるだろうか。 その原理を簡単に説明して下さい。
  4. タンパク質の構造予測に絡んで、粗視化でうまく成功した例を一つ挙げて下さい。
2010
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  1. 細胞システムのシミュレーションにおけるいろいろな階層と問題について、 下記の表を完成させて下さい。(表省略)
     シミュレーション:その意味合い
     1.機能単位 :細胞の全部品を知ることは難しいが、一つの生理機能を 再現することがもっとも現実的なシミュレーションと考えられる。
     2.最少遺伝子セット: (ア)
     3. (イ) :細胞は解放系で、物質・情報・エネルギーをその内外で やり取りしている。環境への適応のシミュレーションは 非常に重要な課題。
     5.多細胞の相互作用:多細胞生物では、細胞間の協調が大事なプロセスと なる。細胞内共生も興味深い問題。
     6. (ウ) :私たち(ヒト)を含めて、多細胞生物の発生には、共通点と 個性が混じり合っている。そのシミュレーションが「生 物種とは何か?」を示してくれると考えられる。
     8.薬効・治癒: (エ)
  2. 自然科学においてデータベースは重要な役割を果たしてきた。データベース に依存する自然理解についての下の表を埋めて下さい。(表省略)
     自然の現象 : データベースの内容 : 法則
     惑星の運行 :    (ア)    : 惑星運動の法則⇒万有引力の法則、力学の法則 
     元素(原子)の性質:原子・分子の化学反応に関するデータ(ベース): (イ) ⇒  (ウ)
     生物の理解 :  (エ)、(オ)  :  ??
    (過去、物理、化学の分野でも自然現象の理解が十分でなかった時期には、地道にデータベースの蓄積が 行われた。現在、生物に関する論理的理解がまだ十分でないのは確かだが、物理や化学の場合よりはるか に大量のデータが蓄積されつつある。)
  3. 配列中の文字の変化がある一定の割合でランダムに起こると、保存度は 指数関数的に減少する(N/N0 = exp(-kt))。この性質を使って生物種間の進化的 関係を調べることができる。
     さて、オーソログのタンパク質同士を比較する場合、アミノ酸配列の中で保存性 の高い領域がある。保存性がベースラインの領域は、ランダムな変化に相当してい ると考える。では、保存性の高い領域は、一般にはタンパク質のどのような部位と 考えられるか。
  4. ゲノム科学時代、生命倫理に関わる問題点を2例挙げ、現在行われている 対処法(心構え)を批判的に記述せよ。
2011
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  1. 自然の理解は、「法則」という形でまとめられてきたが、生物現象では 偶然と必然がからんでいる場合が少なくない。現象、法則、そして偶然か 必然かについての下記の表を完成させて下さい。(表省略)
     自然の現象       法則の内容       偶然か必然か
     惑星の運行   万有引力の法則・運動の法則   (ア)
        (イ)      元素(原子)の周期律表     必然
     放射性崩壊       (ウ)             偶然
     生物の理解        ?            偶然と必然
    (生物の現象も必然と偶然の組み合わせで起こっている。例えば、両親が 優勢と劣性の遺伝子を持ったときに子供に劣性の性質が発現する確率は (エ)だが、これは偶然による(オ)現象だ。これに対し、アミノ酸配列 が与えられると、特定の立体構造のタンパク質ができるのは、物理的 (カ)による。)
  2. 生物多様性の減少は地球全体の問題とされる。現在行われている人間 活動に由来するその原因と、多様性減少の問題点についての下の表を埋め て下さい。(表省略)
     原因         問題点
    ・森林伐採   ・生物全体の遺伝子のプールが小さくなる(多様性が減少する)
    ・(ア)
    ・(イ)      ・病気に関連する( エ )をなくす方向で治療することが 考えられるが、これについての総合的な評価は難しい
    ・(ウ)
    (ゲノムを利用して何らかの人為的な選別を行うと、生物の多様性を減少させる 方向に働く。短期的には良くても、長期的には良くないと考えられる。)
  3. 配列中の文字の変化がある一定の割合でランダムに起こると、保存度は 指数関数的に減少する(N/N0 = exp(-kt))。この性質を使って生物種間の進化的 関係を調べることができる。
     さて、オーソログのタンパク質同士を比較する場合、アミノ酸配列の中で 保存性の高い領域がある。保存性がベースラインの領域は、ランダムな変化に 相当していると考える。では、保存性の高い領域は、一般にはタンパク質の どのような部位と考えられるか。
     さらに、近縁種の生物同士のDNA塩基配列を比較した場合、保存性の高い 領域は、一般にはゲノムDNA塩基配列のうちのどのような領域に対応してい ると考えられるか。
  4. ゲノム解析のバイオインフォマティクスとして、どのような解析が行われ ているだろうか。次の模式図を完成させて下さい。(図省略)
     ゲノム解析における → 遺伝子発見 → (ア) → ゲノム比較 → さらに高度な
     生データの編集                                   解析
         ↓             ↓       ↓       ↓        ↓
       ゲノム情報         (イ)     機能分類    (ウ)      (エ)
  5.  

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