研究目的
 消泡剤には、オイル型・エマルション型・粉末型などさまざまな種類があるが、その中でもエマルション型消泡剤は、シリコーンオイルや疎水性シリカ微粒子などの消泡成分を水に分散しているため、水系発泡液に対し拡散性が高く、少量で高い消泡効果が得られるため現在汎用されている。しかし、エマルション型消泡剤は、分散安定性・拡散性を高めるため、界面活性剤を添加している。多量の界面活性剤の添加により、発泡を助長するといった場合も起こりうるため、低濃度界面活性剤でのエマルション型消泡剤の調製が望まれる。一方、消泡剤に添加されている疎水性シリカ微粒子は、それ自身が乳化剤として作用することが報告されている。そこで本研究では、疎水性シリカの乳化剤としての性質に着目し、界面活性剤濃度をより低下させたエマルション型消泡剤の調製を行い、その物性を検討することを目的とする。

将来の方向性
現在、低濃度界面活性剤において、疎水性シリカ濃度5 wt%の場合に分散安定性に優れたエマルション型消泡剤の調製に成功している。将来的には水系での発泡がトラブルとなる分野における実用化を目的とする。


キーワード

 エマルション型消泡剤、疎水性シリカ微粒子


関連装置

ローター式ホモジナイザー(CLEARMIX)→  エマルションの調製
循環式消泡装置           →  消泡性の試験