研究目的
 液晶乳化法とは,水/界面活性剤系/油系で形成する液晶を水中または油中に分散させることでエマルションを調製する方法である。液晶乳化法の利点として,液晶形成において油/水界面張力が著しく低下していることから弱い撹拌力でも微細な乳化粒子を調製できること,また,乳化粒子は構造体を保持したまま分散することから界面膜の強度が増大し,合一に対して安定なエマルションが得られるということが挙げられる。本研究では,高純度非イオン界面活性剤を用いることにより,従来の低純度な界面活性剤では認められなかった広範囲な液晶相を利用した液晶乳化を行い、その幅広い分野への応用を目的とした物性評価を行っている。

将来の方向性
現在までに,ラメラ液晶,ヘキサゴナル液晶など異なる規則構造を持つ液晶相からそれぞれ液晶乳化を行い,乳化粒子の大きさが最小で300nm以下となるO/Wエマルションの調製に成功した。また,油相を変化させた系や,新たに多価アルコールを添加した系についても同様に乳化を行い分散安定性などの物性評価の比較することで,様々な系での応用を目指している。

キーワード

 液晶乳化法,高純度非イオン界面活性剤


関連装置

動的光散乱       →  粒子径分布測定
光学顕微鏡       →  粒子の直接観察