3.影響を受けた人々
最後まで読む
続きを読むか躊躇する・・・
中村昇:哲学者。最近、春秋社から「いかにしてわたしは哲学にのめりこんだのか」という本を出している。高校の1年上の先輩。落ちてきていっしょになった。現在、○○大学文学部哲学科教授。酒、○んな、文学、高校の頃からぶっ飛んでいたが、共に土方巽のアスベスト館に。早稲田のアパートではお世話になった。酒屋のビールケース(もちろんビールも)泥棒で捕まって、高田馬場警察までパトカーで連れて行かれ、朝方パンツ一枚でとぼとぼ歩いて帰った。そんな夏の一夜もあった。

加藤庸一:現在、広告代理店を経営している。昇さんを介して知り合い、工作舎の「遊学する土曜日」に誘ってもらった。その後、アスベスト館など行動を共にする。20数年ぶりに再会したが、あいかわらず何いってるかわからない。

松岡正剛:編集者。東大駒場裏の工作舎で行われていた「遊学する土曜日」で知る。高校のころから「遊」という雑誌は読んでいたので知っていたが。まだその頃無名だったと思われる荒俣弘、田中眠などとの対談を聞き、頭がええ人やなあ、俺はかなわんなあ、と思う。

栗原生死:三軒茶屋?池尻大橋?の床屋さん。稲垣足穂の散髪もしていたので、坊主にしてもらいに行く。散髪のあと、店を閉めてビールをたらふく飲ましてもらいながら、いろんな話を聞いた。飛行機乗りでもある。工作舎から出版物あり。

サルバトール・タリ:天井桟敷の中心的役者さん。高円寺?阿佐ヶ谷?で飲み屋をやっており、夜な夜な溜まって朝まで演劇や舞踏について討論していた。その店も今はない。

土方巽:暗黒舞踏の始祖。生まれて初めてカリスマと思える人と出会った。この人であった。高校の頃、新劇という雑誌に連載されていた「病める舞姫」を読んで、ぶっ飛んだ。会って話してみて、さらにぶっ飛んだ。踊りをみなくても、会話や日頃の身の振る舞いだけで、がぶ飲みにされた。

種村季弘:ドイツ文学者。土方さんの付け届けを持って大船?の自宅を訪問。風呂に入れてくれ、湯豆腐を肴に酒をご馳走してもらった。泊まっていけといわれたが、帰った覚えあり。

澁澤龍彦:フランス文学者。同じく付け届けを携えて、北鎌倉の白亜の洋館についたのは夜遅く。骸骨やわけのわからないパピルス文字の中でお酒を頂いた。帰りは東京までたどりついたか定かでない。

山本萌:舞踏家。土方巽のアスベスト館での直接の師匠。現在、金沢文化村ディレクターでもある。犀川上流の診療所を改装して作られた金沢舞踏館で夏の間暮らしていた。ランニング途中にスイカなど食料を拝借して。そのとき飛び込んできた家出娘がまだ踊り続けている。一昨年20数年ぶりに再会。東京・金沢間はもちろんキセルだったが、途中の駅で腹減ってキオスクのパン見つめてたら、おばあさんが「どうぞ」って恵んでくれた時は涙がちょちょぎれた。

楠原賀代:アスベスト館のお姉様。舞踏家。スキンヘッド軍団は、夜な夜な、六本木や赤坂のナイトクラブで水割り作ったり、ショーの照明係をやっていたが、まぶしかった。こずえさん。今もばりばり現役で踊っておられるとのこと、萌さんから聞いた。

三上宥起夫:賀代さんのつれあい。天井桟敷初期からのメンバー。演出家。「ハミングバードはもう鳴かない」という推理小説を角川から出している。小説家?表参道のマンションで初めて会って飲んだ。天井桟敷残党が集まっている中で唯一若かったんじゃないか、俺が。侮れない人々。

大杉空也:同じ時期にアスベスト館で稽古していた。舞踏家。野田秀樹の夢の遊眠社の初期メンバー。現在New Yorkにいるらしい。

伊東守男:ボリス・ヴィアンの翻訳で知られる。どういう経緯だったか忘れたが、花見の宴会に混ざり、朝まで飲んだ。阿部薫の話で同席者と口論になり、荒れた覚えあり。ナツメグを囓りまくっていた。

佐藤隆史:70年代後半のアンダーグラウンドロック・ジャズ・パフォーマンス・映画・雑誌関係の魑魅魍魎でごった返していた吉祥寺「マイナー」主催者、年に一度くらい会っていたが、最近音沙汰ない。中国で飛行機免許とり、軽飛行機で空を飛んでいるはず。

田中トシ:パフォーマー。どういう経緯で知り合ったかは定かでない。吉祥寺マイナーに出没するようになったのは彼を通してである。夜10時から行われていた「愛欲人民10時劇場」に参加するようになる。時を同じくして、吉祥寺などで路上パフォーマンスをやる。東名高速用賀インターでヒッチハイク、京都まで行き、京都?博多間はキセルのパフォーマンスツアー。中野刑務所前でのパフォーマンスなどなど。博多では見物していた学生と路上で喧嘩になった。現在はブラジル在住のはず。

小西ヤス:江古田にあったギャラリーメールド(ちなみに意味は、糞)店主。

山崎春実:ジャム、ヘブンなどの雑誌で知っていたが、会ったのはマイナーで。しびれくらげ、タコと名乗っていたメンバー不定のバンドの中心人物。いつの間にかメンバーになっていて、法政、神奈川大の学館ホール、野音の天国注射など、あちこちでライブをやった。石井聡互監督の「爆裂都市」という映画のロケが西川口の廃工場跡であって、そこに二人で行って、「先天的畜生」という役で痙攣しまくっていたこともあった。一応客演:タコでクレジットがでる。タコのメンバーだった美沢さんの葬儀のあと数回会ったきり。

白石民夫:サックスプレーヤー。コンピュータープログラマー。現在New York在住。剰余価値分解工場というイベントや、荻窪Goodmanのギグなどに参加させてもらった。バイオリンの弓を叩き折ってはライブ前に新しいやつを買ってもらった。

金田一安民:石屋さん。マイナーの頃から顔は知っていた。キッドアイラックホールでのパフォーマンス「禿山の一夜」以来、年に数回会っていた。昭和天皇崩御のおり、警備厳重な正月の代々木公園に三々五々あやしげな輩が集合し大宴会。豚の薫製にモーニングを着せ、赤ワインが豚のいちもつ(蛇口)からでるようになっていた。豚の解剖を手伝った。今でも思い出したように年に一回程度連絡ある。