研究課題のご紹介

破壊力学パラメータスライド

線形/非線形破壊力学解析のためのき裂パラメータ計算手法の研究

破壊力学解析用の三次元き裂のある解析用有限要素法解析モデルのメッシュ生成の自動化を試みました。メッシュ生成の自動化には四面体有限要素の使用が必須です。現在まで多くの三次元破壊力学解析で、き裂前縁近傍で六面体有限要素を用いた解析モデルが多用され、J積分、仮装き裂閉口積分法(Virtual Crack Closure-Integral Method)、相互積分法(Interaction Integral Method)は六面体有限要素の使用を前提とした実装法が用いられてきた。そこで、四面体有限要素でき裂パラメータ(応力拡大係数やJ積分)を精度良く解析する手法の開発を進めている。対象とする問題は、線形弾性問題から大変形弾塑性問題に対象を拡げてきた。さらに、弾塑性変形をする傾斜機能材料の破壊評価のためのJ積分法や傾斜機能材料の応力拡大係数計算のための相互積分法にも取り組んできた。今後は、Additive Manufacturing (金属3Dプリンタ)による成型品の破壊評価のために、残留応力や材料非均一性を有する材料の破壊評価に関する研究も推進する。 今後も対象とする問題をさらに拡げていく予定です。

実用破壊力学プロジェクト写真


実用的な破壊力学計算ソフトウエアの開発

実用的な破壊力学解析ソフトウエアの開発をしてきました。諏訪東京理科大学の河合浩志先生のご指導・ご協力のもと、三次元き裂解析用自動メッシュ生成プログラムの開発を進め、四面体有限要素用破壊力学パラメータ解析プログラムと組み合わせることで実用的な破壊力学解析ソフトを開発してきました。現在は、溶接残留応力の影響下でのき裂進展解析が可能になりつつあります。また、超大規模有限要素法解析によるき裂進展解析にもチャレンジしています。
 さらに、広島大学・田中智行助教によって、実用的な問題への適用もなされつつあります。また、アイディアは、(株)テクノスターによって商用利用が可能になりつつあります。

自動メッシュ生成写真

自動メッシュ生成によるき裂を有する有限要素法解析モデル生成

 有限要素法を用いた、実用的な破壊力学解析の重要な要素技術です。現在、制約付きデローニ法による、任意形状の多数き裂同時進展解析を目指して研究開発を進めています。

非線形解析写真

非線形解析のための各種計算アルゴリズム

 あらゆるレベルのデジタルコンピュータの高速化・大容量化によって、複雑な非線形問題の解析が可能になってきました。計算機の進歩は計算手法の革新を促してきました。少々計算コストが高くてもロバストな手法、解析モデル生成が簡便な手法など、新しい非線形固体力学計算アリゴリズムの研究開発を進めています。 反復型重合メッシュ法やMDP(Mesh-Independent Data Point) 有限要素法、さらにアイソジオメトリックアナリシスに取り組んでいきます。

産学/産学官 連携研究プロジェクト

 岡田研究室では、産学/産学官連携研究プロジェクトを推進しています。産学/産学官連携プロジェクトの推進によって、産業界での計算工学・計算力学のニーズを知ることができます。大学院生や卒研生は産学/産学官連携プロジェクトから実際の計算工学・計算力学の応用や今後の課題を知ることができます。また、いろいろな問題に触れることがいい経験になるはずです。
 さらに、それらから新しい基礎研究テーマを立ち上げることも産学/産学官連携研究プロジェクト推進の目的の一つです。  現在、自動車、スポーツ用品、CAEソフトウエア、原子力プラントといった様々な産業に関連した連携プロジェクトを推進しています。