〜食事と医薬品の相互作用情報〜


このホームページは現在、作成途中です。この他にも相互作用を起こすことが知られているものが無いとは言えません。ご注意ください!




テトラサイクリン系抗菌剤

医薬品 注意度 文献立証度 文献No 相互作用 作用機序 回避法
テトラサイクリン ★★☆ ★★★ T-2、T-7、T-8 食後服用、同時服用でテトラサイクリン類の吸収阻害 不明。食事中のCaによるキレート形成によるのではないかという報告もあります。 空腹時(食事の3時間前くらい)にテトラサイクリン類を服用する。
ドキシサイクリン ★☆☆ ★★★ T-7、T-9、T-10※ 同上
テトラサイクリンよりも吸収阻害は小さいです。
同上 同上
ミノサイクリン ★☆☆ ★★☆ T-2 同上
テトラサイクリンよりも吸収阻害は小さいです。
同上 同上
デメクロサイクリン ☆☆☆ ★★☆ T-11 なし
※文献T-10では、食後服用によるドキシサイクリン吸収阻害の影響が大きいとの報告でしたが、食事中にミルクが含まれているため、注意度の評価からははずしました。(ミルクはドキシサイクリンと相互作用をおこします)

 テトラサイクリンは、食後服用すると吸収が半分くらいに減少します。ドキシサイクリンとミノサイクリンでは、10〜20%減少します。吸収阻害の程度から、テトラサイクリンは治療上大きな影響がでると考えられますが、ドキシサイクリンとミノサイクリンは影響が小さく食後服用してもよいと考えます。
 作用機序については不明ですが、テトラサイクリン特有のものとして、上記に記載した食事中のCaによるキレート形成と考察した論文がありました。一般的な食後投与により吸収が減少する原因として、胃内pHの変動、GERの遅延があります。



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No. 論文題名 発行年 医薬品 報告形態 論文詳細
T-2 Absorotion of minocycline hydrochloride and tetracycline hydrochloride. Effect of food,milk,and iron. 1985 tetracycline  minocycline 臨床試験 健常人16人を、塩酸ミノサイクリン群と塩酸テトラサイクリン群にわけ、それぞれの薬物を水、ミルク、硫酸鉄、または食事と同時摂取した。血清薬物濃度の経時的変化を測定。
T-7 Bioavailability of tetracycline and doxycycline in fasted and nonfasted subjects 1977 tetracycline doxycycline 臨床試験 被験者6人がテトラサイクイン500mgまたはドキシサイクリン200mgを、高炭水化物食後、高脂肪食後、高蛋白食後、空腹時に服用。薬物血清濃度を測定。
T-8 Influence of the diet on bioavailability of tetracycline 1993 tetracycline 臨床試験 被験者9人が、テトラサイクイン250mgを水、標準食、メキシコ食と同時摂取。尿中排泄累積量を測定。
T-10 Effect of food on doxycycline absorption 1987 doxycycline 臨床試験 健常者9人が、ドキシサイクリン200mgを食事・ミルクと同時摂取、または空腹時に服用した。血清濃度を測定。
T-11 Experimental study of factors inhibiting absorption and effective therapeutic levels of declomycin 1962 demeclocycline 臨床試験 デメクロサイクリン300mg服用時に、牛乳240mL、バターミルク240mL 、カッテージチーズ120g、通常食を摂取した場合のデメクロサイクリン血清濃度の推移を測定した。




ニューキノロン系抗菌剤

医薬品 注意度 文献立証度 文献No 相互作用 作用機序
シプロフロキサシン ☆☆☆
★★☆ Cipr-1 なし
エノキサシン ☆☆☆ ★★☆ Enox-1 なし
フレロキサシン ★☆☆ ★★☆ Fler-1 フレロキサシンの吸収阻害 機序不明
オフロキサシン ★☆☆ ★★☆ oflo-1 オフロキサシンの吸収阻害 機序は不明だが、胃内容排出の遅延が考えられる。
レボフロキサシン ★☆☆ ★★☆ Levo-1、Levo-2 レボフロキサシンの吸収阻害 機序不明
スパルフロキサシン ☆☆☆ ★★☆ Spar-1 なし
※注意度の評価(☆☆☆)は、牛乳が含まれない食事と同時摂取する場合の評価です。
シプロフロキサシンは、牛乳などの乳製品と共に併用すると、体内でCa2+と難溶性のキレートを形成し、消化管からの吸収が減少してしまいます。(Cipr-2Cipr-3
ところが、Cipr-1の論文では、牛乳も含めた食事と同時摂取しても、シプロフロキサシンの吸収に影響はないとしています。これは、Cipr-1での食事中のカルシウムは、そのほとんどがチーズに含まれており、また牛乳もトーストなどに吸収されていて、液体中に存在しているCa2+が少ないため、牛乳単体とシプロフロキサシンを併用したときよりも、キレートが形成されづらいからと考察されていました(Cipr-2)。
よって、注意度の評価(☆☆☆)は、牛乳が含まれない食事と同時摂取する場合の評価を記しました。





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No. 論文題名 発行年 医薬品 報告形態 論文詳細
Cipr-1 Ciprofloxacin pharmacokinetics after a standard or high -fat/high -calcium breakfast. 1989 ciprofloxacin 臨床試験 健常人20人に対して、標準的な朝食摂取直後あるいは摂取2時間後あるいは高脂肪/高カルシウムの朝食と一緒に服用させた。試験間でシプロフロキサシンの吸収に有意な変化は認められなかった。
Enox-1 Effect of milk on absorption of norfloxacin in healthy volunteers. 1993 enoxacin 臨床試験 健常人8人に対して、エノキサシン400mgを、@水300ml、あるいはA牛乳300ml、あるいはB朝食、あるいはC朝食と牛乳と一緒に服用させた。4つの試験間では、AUCやCmaxに有意な変化は認められなかった。
Fler-1 Effect of a fat- and calcium-rich breakfast on pharmacokinetics of fleroxacin administered in single and multiple doses. 1994 Fleroxacin 臨床試験 健常人20人に対して、フレロキサシン400mgを、@1日1回3日間、あるいはA朝食摂取後に1日1回3日間(複数回投与)、あるいはB1回、あるいはC朝食摂取後に1回(単回投与)で服用させた。
AUCやCmaxは有意に低下したが、バイオアベイラビリティには有意な変化はなかった。
oflo-1 The effect of food or milk on the absorption kinetics of ofloxacin 1991 ofloxacin 臨床試験 健常人21人に対して、オフロキサシン300mgを、@絶食後あるいはA食事摂取30分後あるいはB牛乳摂取30分後に服用させた。牛乳との併用により、オフロキサシンの吸収に有意な変化はなかった。
Levo-1 Effects of food and sucralfate on a single oral dose of 500 milligrams of levofloxacin in healthy subjects. 1997 levofloxacin 臨床試験 健常人24人に対して、レボフロキサシンを、@絶食状態あるいはA高脂肪食摂取直後あるいはAレボフロキサシン投与2時間後にスクラルファート投与の3つの条件で服用させた。
高脂肪食との併用により、レボフロキサシンのバイオアベイラビリティに影響はなかった。
Levo-2 Lack of bioequivalence of levofloxacin when coadministered with a mineral-fortified breakfast of juice and cereal. 2003 levofloxacin 臨床試験 健常人16人に、レボフロキサシン500mgを、@シリアル+Ca強化オレンジジュース+牛乳、あるいはAシリアル+Ca強化オレンジジュース+水と一緒に服用させた。
@およびAのどの薬物速度論的パラメータにも、有意な変化が認められた。
Spar-1 Effects of food on the pharmacokinetics of sparfloxacin. 1999 sparfloxacin 臨床試験 健常人23人に対して、スパルフロキサシン200mgを、水240mlあるいはスキムミルク240mlあるいは高脂肪の朝食と一緒に服用させた。3つの試験間において、AUCやCmaxに有意な変化は認められなかった。