東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科

   ファカルティ・ディベロップ(FD)活動の概要


 



  1.FDシステムの存在

本学科では,教育改善委員会において,教員の質的向上を図るための計画を立て学科の教室会議(全教員による会 議)に於いて再度検討し実施が決定される仕組みとなっている。現在,学科として実施している主な事項を以下に示す。
(a)    授業チェックシートを基に授業内容・技術の向上を図る(必要な教員は授業アンケートも実施する)
(b)    授業に関する相談窓口を設置し授業の改善を図る(主任・教務幹事が相談相手となる)
(c)    「大学電気工学教育研究集会および大学電気教員協議会」に教員を派遣する

 東京理科大学全体としては,「本学の教育の理念および目標並びに教育の内容および方法についての組織的な研修,調査および研究を実施するとともに,本学の教育研究の質的改善および向上に貢献すること」を目的とした東京理科大学教育委員会が学長諮問委員会として平成14年度に発足した。同委員会は,独自の教育方針の策定や教育内容・教授法の改善を含めたファカルティ・ディベロップ(FD)活動の啓蒙を行っている。また,年度ごとに教育活動(講義日数,講義時間数,授業改善策など)に関する調査,集計がなされ,理事会が任命した各専門系列の教育職員により構成される教育職員勤務評価委員会のもとで,教育職員の評価が実施され,評価結果を各教育職員にフィードバックし(フィードバックは平成17年度から),各自の教育活動の改善に役立てている。

 その他,教育改善委員会(現FD委員会)では,授業科目のシラバス点検や理解しやすいシラバスの書き方の例示を行った。また,平成17年度開講を目指した2つの科目を教室会議に提案し実施した。一つは課題設定能力,デザイン能力およびコミュニケーション能力向上を目指した「電気工学特別講義」であり,今ひとつは技術者倫理を理解する能力向上を目指した「技術者倫理」である。加えて,平成17年度に教育改善プロセス案を作成し教室会議に提案して承認を得た。これは学科がこれまでに行ってきた教育改善をよりシステマティックにしたものであり,学科教育の継続的な質的向上・改善を図るものである。

  2.教育点検システムの存在

電気電子情報工学科の教育システム全般にあたっては、大学全体の教育方針の中で学科での教育を行うため、東京理科大学教育開発センターとFD幹事制度、さらに学科のFD委員会を連携して、点検、改善、実施を行っている。 (下図参照) 。


図: 教育点検システム構成

 


・教育点検システムに関する活動の実施
 学生質問記録用紙,ご意見箱,授業アンケート,科目間アンケート,企業アンケート,保証人アンケート,学生向け自己点検ファイル,授業チェックシート (教 員),卒研チェックシート(教員),電気工学特別講義チェックシート(教員)などによる調査を実施し,教育点検システムに関する活動を実施している。



  3.社会の要求や学生の要望に配慮する仕組みの存在

本学科は創設して40年ほど経ち,これまでに社会の要求や学生の要望を配慮しながら教育改善がなされてきた。その中で大きな改革を幾つか挙げると,関門制度(2年次進級の厳格な条件)の廃止に替わる基礎重要科目の順序修得の制度,学科の特色を明確化した三コース制(電気工学コース,電子工学コース,情報通信工学コース)の採用,電気電子情報工学コースの追加,情報系教育の再編,新規科目の開講(平成17年度は「電気工学特別講義」と「技術者倫理」)がある。これらの改善を行う基本的な手続きは,社会の動向や学生の学力を十分配慮した形で,学科の教務幹事を中心にした数名の教員からなるワーキンググループにより素案が作られ,教室会議で十分に議論した後,その審議結果を学科案として学部の教務幹事会、教育委員会、または主任会議で審査を受け,最終的に教授総会(教育委員会、主任会議が代行する場合がある)で教育改善に繋がるものであると判断されれば,承認を受けられるという仕組みになっている。

 最近の活動例としては学生からの要望を積極的に知るために年次ごとの授業アンケートの実施や常時設置のご意見箱があげられる。

 社会からの要求を知る手法の一つとして,本学科は平成17年度から企業の求人活動時期(2月から6月)に,求人のために来訪した企業人事担当者ならびにOBにアンケートを実施している。その回答の集計結果は貴重な外部点検評価の一つと捉え,本学科の教育改善の一助をなすものと期待して活用している。




  4.教育改善システムの存在

本学科の教育点検・改善システムは下図のように機能している。継続的改善システムは実務的にはFD委員会が中心となっているが、実質的には、FD幹事、就職幹事、教務幹事がそれそれの課題や改善活動などを教室会議に提案し、随時教室会議内で議論や検討を行っている。

図:教育改善システム




Last Update 2011/10/21